今日からできる院内内感染対策_20150402

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病院内の清掃には不衛生な要素が多々存在するが、それは医師や看護師からでは察知しにくい分野です。察知しにくい分野なために、未だに日和見院内感染が問題になっていると考えます。

院内感染対策を実施する上で院内感染経路を特定することは重要であり、その感染経路を確実に遮断することで大きな効果が得ることができる。

その感染経路の源になっているのは何か。それは床の埃だと私は考えます。
床の埃と患者・医師・看護師の間には関係が無いように思われるが、床の埃を取り扱う作業が多い清掃スタッフや看護助手の作業を介して伝播すると考えます。

床は不衛生という認識は院内感染対策を実施する上でとても重要なことです。床は一部分だけであっても不衛生です。その床に付着している埃も不衛生です。床の埃は床清掃の過程でフロアダスターシート(床の埃を集めるシート:総称)で集められます。その集められた埃はさらに数倍不衛生です。埃ゆえに移動・浮遊も容易です。そのような床の埃をどのようにコントロールするかが、日和見院内感染対策に大きな影響を与えます。

どのように伝播するか
床の清掃作業の工程で集められた埃がフロアダスターシートに付着します。その付着した埃の塊を床に置いてある電気コードや医療チューブ等に接触させ、埃や菌を付着させてしまう。不衛生になったその電気コードや医療チューブを医師や看護師は不衛生扱いしていますか?

また、清掃スタッフは床の埃を集めたフロアダスターシートを不衛生扱いしていますか?その床の埃を集めたフロアダスターシートを処分するときに、清掃スタッフの手や前腕部にフロアダスターシートに付着していた床の埃が舞い上げによって付着してしまいます。このフロアダスターシートを処分するときの埃の舞い上げは室内灯では確認はできにくい。その後、清掃スタッフが流水で手や前腕部を洗えば問題ないが、手洗いをせずに手や前腕部が不衛生なままその次のお作業を実施した場合、床の埃を様々な医療機器・備品に接触し、埃・菌を付着させてしまう。それらの医療機器・備品等を医師や看護師が取り扱うことで伝播が起こると考えます。

日和見感染につながる埃等を扱う清掃スタッフや看護助手は、手洗いや手袋交換を重視しなければならない。しかし、不衛生作業の連続で手洗いや手袋交換のタイミングを取ることが難しい。その上、清掃スタッフは節約のため手袋の使用数に限りがあるなどの経費問題もあり、手袋が不衛生な状態にあることが多い。医師や看護師が手洗いを徹底するとともに、汚染の源を取り扱う作業が多い清掃スタッフや看護助手の手洗いも徹底しなければならない。

正しいフロアダスターシートの作業方法
フロアダスターシートは埃の舞い上げを抑え、衛生的に清掃を実施する上で病院の清掃には欠かせない清掃用具の一つです。埃の舞い上げを抑える一方で、床の埃の塊を移動させながら清掃を実施するという不衛生さも持っています。その埃の塊を床に置いてある電気コードや医療チューブ等に接触しないように作業を実施することがとても重要です。接触してしまうと電気コード・医療チューブ等に不衛生な床の埃が付着してしまいます。
また、使用したフロアダスターシートを処分するときには、ユニフォームへの汚染を避け、手・前腕部の流水による手洗いが確実におこなわなければならない。フロアダスターシートを捨てる場所は、他の医療スタッフが触れないようにビニール袋に入れるなどして捨てるべきである。そして使用したフロアダスターシートを取り付ける清掃用具も清潔に清拭しなければならない。

フロアダスターシートを使用せずにウェットモップだけで床の清掃を実施する方法もご覧ください。

日和見院内感染対策のポイント

  • 床の埃のコントロール
  • 清掃スタッフや看護助手の手洗い方法とタイミング
  • 床に置いてある物を不衛生扱いにする
  • スリッパ・シューズカバーを不衛生扱いにする
  • 清掃用具の清潔管理
  • 医療用品をできるだけ床に直置きしない

まとめ
床の埃をコントロールすることは難しいことです。一度、医師や看護師が床の清掃を実施してみて、どのような作業が不衛生につながるのかを見極めるのも一つの方法です。

現在は医師・看護師が手指消毒の頻度を高めることで院内感染を防止しているというのが現状です。このページの日和見院内感染対策を併用することで、さらに院内感染の防止につながることを祈っております。

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