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床は不衛生という認識は院内感染対策の上でとても重要なことです。その床に付着している埃もまた不衛生です。埃は移動性があります。その床の埃をどのようにコントロールするかが、日和見院内感染対策に大きな影響を与えます。
床の埃と、患者・医師・看護師は関係が無いように思われますが、床の埃を取り扱う作業が多い清掃スタッフ・看護助手の作業を介して伝播すると考えます。
どのように伝播するのか
それは床のフロアダスターシート(床の埃を集めるシート:総称)の作業の工程で、床の埃の塊を、床にある電気コードや医療チューブ・その他の物に付着させてしまう。しかし、床に置いてある電気コードや医療チューブ・その他の物を医師や看護師は不衛生扱いするでしょうか?
また、清掃スタッフは、床の埃を集めたフロアダスターシートを不衛生扱いしているでしょうか?その床の埃を集めたフロアダスターシートを外したり捨てたりするとき、清掃スタッフの手や前腕部にフロアダスターシートに付着していた床の埃が付着してしまいます。このフロアダスターシートを処分するときの埃の舞い上げは、室内灯では確認することはできにくいです。その後、清掃スタッフが流水で手や前腕部を洗えば問題ないのですが、手洗いをせずに不衛生なまま、その次の作業をおこなった場合、床の埃を床とは関連のない医療機器・その他の物に接触されてしまいます。
清掃スタッフや看護助手は、日和見感染につながる埃等を扱うことが多い。清掃スタッフや看護助手は手洗いや手袋交換を重視しなければならない。しかし、不衛生作業の連続で手洗いをするタイミングが難しいことや、特に清掃スタッフなどは手袋の使用数に限りがあるなどして、手が不衛生の状態にあることが多い。医師や看護師の手洗いを徹底する一方で、汚染の源を取り扱うことが多い清掃スタッフや看護助手の手洗いも徹底しなければならない。
正しいフロアダスターシートの作業方法
フロアダスターシートは埃の舞い上げを抑え、衛生的に清掃をおこなう上で病院の清掃には欠かせない清掃用具の一つです。舞い上げは抑えられるのですが、その一方で床の埃の塊を移動させながら清掃をおこなうという不衛生さを持っています。その埃の塊を床に置いてある電気コードや医療チューブ・その他の物に触れないように作業することがとても重要です。触れてしまうと電気コードや医療チューブ・その他の物に不衛生な床の埃が付着してしまいます。
また、使用したフロアダスターシートを外したり捨てたりするときには、ユニフォームへの汚染を避け、手・前腕部の流水による手洗いが確実におこなわれなければならない。フロアダスターシートを捨てる場所は、他のスタッフが触れないようにビニール袋に入れるなどして廃棄すべきである。そして使用したフロアダスターシートを取り付ける清掃用具も清潔に清拭しなければならない。
フロアダスターシートを使用せずにウェットモップだけで床の清掃をおこなう方法もご覧ください
床の埃をコントロールすることは難しいことです。一度、医師や看護師が床の清掃をおこなってみて、どのような作業が不衛生につながるのかを見極めるのも一つの手段です。
ポイント
- 床の埃のコントロール
- 清掃スタッフや看護助手の手洗い方法とタイミング
- 床に置いてある物を不衛生扱いにする
- 医療用品を床に直置きしない
- キャスターを不衛生扱いにする
- スリッパ・シューズカバーを不衛生扱いにする
- 清掃用具の清潔管理